歯科医院を経営していると定期的な設備投資が必要になったり、勤務医の先生は独立・開業にあたって銀行に融資の依頼をすることがあります。開業時の借り入れは10年から15年(場合によってはそれ以上)かけて返済していきますが、その返済期間中でも機械の故障や新しい機械の導入で銀行から融資を受けることがあります。経営していると複数の借り入れが同時に発生することは普通であり、返済計画を常に意識する必要があります。
借り入れには良い借り入れと悪い借り入れがあります。良い借り入れとは、借り入れをすることで新たに設備を導入し、患者のニーズを満たし、生産性も向上していく、そんな医院の売上をあげていけるような借り入れです。歯科医院の規模にもよりますが、今後はどんどん設備投資ができる歯科医院とそうでない歯科医院の二極化していくことでしょう。設備投資ができない歯科医院は、患者のニーズに対応ができずに集患が困難になっていきます。そのためにも金融機関にはいつでも相談できる体制を普段から構築することが大切になりますね。
逆に悪い借り入れとは、運転資金の借り入れです。運転資金は新たな売上を作らずに、手元資金の不足を補う借り入れです。これは自転車操業に近づいている状況になります。医院で借り入れをする場合にどちらの借り入れになっているかを意識してみてください。
では、上記のように、普段から金融機関にいつでも相談できる関係を作るためにはどうしたらよいのでしょうか?これは銀行の立場になって考えるといいです。銀行としては「しっかりと返済してくれる医院」には融資をしたいと思いますよね。では、返済できるかどうかを銀行はどう判断するのでしょうか?これは決算書や確定申告書で各医院を格付けし、その格付によって貸すのかどうかを判断しています。ただ、判断基準はこの格付けだけではありません。先生の人間性や人柄、患者対応、歯科医院経営に対する考え方など、ソフト面も考慮しています。ということは、格付けは医院の数字から判断されるので自分で調整するのは難しいですが、ソフト面での評価を上げていくことは可能です。医院の状況を定期的に伝えながら銀行の担当者とコミュニケーションを取り、その中で先生の人柄や医院経営に対する考え方を伝えていけばいいのです。
当社もそうですが、決算書ができたタイミングで前期の状況と今期の事業計画書を決算書と共に銀行に提出して担当者と顔を合わせて話します。また、銀行の集まりには可能な限り顔を出して日頃の感謝を伝えます。担当者と腹を割って話せるようになると融資の相談もしやすくなります。当社の顧問先には銀行とのやりとりも支援しています。経営をしていると金融機関との関係は切っても切れません。困った時だけお願いするのではなく、普段から丁寧な付き合い方をしていくようにしましょう。


